歯に良い栄養ってあるの?

乳歯は、赤ちゃんがお母さんの体内にいる時にすでに作られています。
乳中切歯は妊娠1ヵ月半頃から作られ始めていますし、第二乳臼歯も妊娠2ヵ月半頃にはできてきます。
さらに永久歯でも、第一大臼歯は妊娠3ヶ月半でもう作られています。
歯の発育には、歯の有機物(土台)を形作るたんぱくや、歯の無機質を作るカルシウム・リン・フッ素などの他に、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンDなどの栄養素が必要ですが、現代の食生活では過度の栄養不足になることは考えにくいので、母子ともに極端な好き嫌いをせずバランスよく食事をとっていれば、自ずと健康な歯が作られるはずです。
歯が生える前に、これらの栄養素によって歯の質の基礎が作られ、歯が生えた後は、唾液中のカルシウム・リン・フッ素などがエナメル質の表面から溶け込んで、徐々に強く硬い歯になっていきます。
歯の質(結晶性)が十分硬くなるには、自然の状態で5~10年という長い時間が必要です。
カルシウムが歯に良いからと必要以上に一時に大量摂取しても、特別強い歯ができるわけではありません。 それよりもこの歯が生え始めてから硬く成熟するまでの期間に虫歯になってしまわないように、バランスの良い食事と適切な歯磨きを行うことのほうが重要なのです。
歯にとって不必要な栄養といえば,砂糖ぐらいのものかもしれません。

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