フッ化物によるむし歯予防について

「フッ素」という言葉は、最近歯みがき剤のテレビコマーシャルなどにもたびたび登場しますので、ほとんどの方が「むし歯予防に有効なもの」ということはご存知だと思います。
この場合、正しくはフッ化物と呼びますが、フッ素の方がなじみやすいかもしれません。
2003年に厚生労働省が「フッ化物洗口(ふっかぶつせんこう=フッ化物の液でのブクブクうがい)ガイドライン」を発表するなど、最近は国としても積極的にフッ化物によるむし歯予防に取り組むようになりました。  
ところで、フッ化物を使ったむし歯の予防法にはいろいろな種類があります。ここで簡単にまとめてみましょう。

  • パブリックケア
    むし歯予防の目的で水道水にフッ化物を添加する方法に代表されます。日本では現在おこなわれていませんが、米国、韓国、オーストラリアなど諸外国では水道水へのフッ化物添加が実施されていて、特に香港やシンガポールでは普及率100%となっています。(日本でも例外的に米軍基地の中ではおこなわれています。)神奈川県で近い将来に実現する可能性は低いと思われますから、私たちは現実には下記の 2. 3. の方法でフッ化物を利用することになります。
  • プロフェッショナルケア
    歯科医院で定期的に高濃度のフッ化物を専門的な方法で塗ってもらうなどがあります。むし歯のリスクに応じて年に2~4回定期診査の際におこなうと効果的です。かかりつけ歯科医に相談してみてください。 平塚歯科医師会では、フッ化物塗布を実施している会員の診療所をリストアップしております。
  • ホームケア
    最も手軽なスタイルです。ホームケアにもいくつかありますが、いずれも低濃度のフッ化物を毎日家庭で利用する方法です。

  1. フッ化物配合歯みがき剤 いろいろな種化物配合歯類の市販品があります。お子さんの場合は、お子さん自身が歯をみがく時に使用させると良いでしょう。低年齢ではまだ上手にみがけないわけですが、唾液中にフッ化物配合の歯みがき剤が入り込むだけで効果があります。ただし、ある程度ブクブクうがいができる年齢(一般には3~4歳以上)になってから使いましょう。また、「フォームタイプ」という泡状のもの(商品名チェック・アップ フォーム)もあり、低年齢でも使いやすく拡散性が高いので効果的と言われています。
  2. フッ化物スプレー 「レノビーゴ」という商品名で売られています。フッ素の濃度は100p.p.m.と、かなり低めです。(フッ化物配合歯みがき剤のフッ素濃度は多くの商品で約1000p.p.m.です。)低年齢児のための入門用といったところでしょうか。
  3. フッ化物洗口 フッ化物の溶液でブクブクうがいをする方法です。歯科医院で指導を受けた後、薬局でフッ化物洗口剤を購入します。詳しくはかかりつけ歯科医にお尋ねください。 平塚歯科医師会では、フッ化物洗口指導を実施している会員の診療所をリストアップしております。
※実施歯科医院については、平塚歯科医師会事務局(電話0463-32-7008)にお問い合わせください。 フッ化物の応用は確実にむし歯予防効果がありますが、過信せずに日頃のブラッシングなどのケアを怠らないようにしましょう。

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